セカンドオピニオン

当社の活動の一部が、
日本経済新聞(平成22年7月3日)に紹介されました。
紹介されたのは、税務セカンドオピニオン・サービスの
『プライベート・コンセント』です。
当社が、このセカンドオピニオン・サービスをはじめた
2005年は、まだ、“セカンドオピニオン”という言葉は
一般的ではなく、ネーミングなどに苦労をした記憶があります。
今となっては、“セカンドオピニオン”という言葉を
素直に使えば良いわけですが、
当時は、この言葉は目立たない程度に使いました。
当社が、このサービスを開始すると、
追随者は、半年~1年ほどで現れました。
参入障壁が、ほぼ、ゼロのサービスですから、
追随者が現れるのは、当たり前のことですが、
私たちが、業界動向から疎遠になっているうちに、
インターネット上では税務セカンドオピニオン・サービスを
行う税理士サイトが雨後の竹の子のように増えたようです。
医療の世界から現れた“セカンドオピニオン”という言葉は、
今では、あらゆる業界で使われるようになりました。
“アウトレット”と並ぶ
21世紀以後に出現したヒットワードの一つと言っても良いでしょう。
“専門家”という言葉には、
“セカンドオピニオン”という言葉がセット。・・という時代に
なりました。
しかし、これは当然のことです。
私たちの社内でも、専門家同士が対立する意見を戦わせる場面は、毎日のようにあります。
それだけ、時代は複雑になり、一人の専門家の意見だけで
どうにかなる時代ではなくなっているのです。
さらに、肩書きだけが“専門家”という人も多くいます。
私たちは、お客さまを通して、そういう人たちにたくさん出会ってきました(間接的に)。
そして、そうした“専門家”という人たちは、
驚くようなアドバイスをしているのです。
ある若い税理士は、
私たちのセミナーに参加したお客様の
「キャッシュフロー計算書を作ってください」
の依頼に、
「あれはすぐには作れないものです」
と答えたそうです。
当社の新卒が10分くらいで作るものを
“すぐには作れない”というのは、
どういうことなのかと驚いた記憶もあります。
理想は、
”完璧な専門家”に出会うことです。
しかし、そんなことはあり得ません。
世の中が複雑になる。
試験だけで専門家が製造される。
この2つの背景を客観的に見るだけで、
“完璧な専門家”などあり得ないことが
わかります。
だから、
当社は、社内での意見を戦わせるように
なっています。
そして、
社外においても、
プロとしての意見を
多くの方々に利用いただきたいと考えています。
今日も、
顧問税理士さんが考えた相続対策に対して、
異論を主張し、まったく違うスキームを提案しました。
お客様には、2つの意見をよく吟味し
良かれと思うものを選んでいただけると思います。
八百屋で、大根を選ぶことと
それほど変わらない状況に持ってこれた時、
本当の専門サービスを受けられることになります。
回りくどいけれど仕方がありません。

続、なぜ税理士は必要なのか?

私は以前にこんな経験をしたことがあります。
ある零細企業の社長が顧問契約のご依頼でいらっしゃいました。
私 「本日はどのようなご相談ですか?」
社長 「顧問をお願いしたいんですが。」
私 「それはありがとうございます。」
私 「どなたかのご紹介ですか?」
社長 「いえね、銀行から税理士さんに相談してみてはどうか?と言われまして・・」
少し訳ありのようです・・・
話を聞いてみると,借入れの相談で銀行に行ったところ
決算書と申告書の提出を求められたそうです。
社長が決算書と申告書を提出したところこの決算書では融資できないと言われ、
税理士に相談してみるように勧められたとのことでした。
その社長は,以前からご自分でワープロで決算書を作り、その決算書を持って税務署に行き職員に聞きながら手書きで申告書を書いて提出していたそうです。
私はその決算書と申告書を見せていただきました。
ワープロで作った行間が間延びした表に、それらしい勘定科目と金額が入力してありました。
はっきり言ってひどい決算書です。
これがテストなら『10点』くらいでしょう。
貸借対照表は、前年度からの繰越額を無視した財産ベース。
損益計算書の売上、費用は入出金ベース。
申告書も当然でたらめです。
対応した税務署の職員も職員です。
前回、わたしたちが税務署に提出する申告書は『確定決算主義』という決まりを前提として作成されなければならないという話をしました。
それは株主総会で承認された決算書にもとづき申告書を作成しなければならないということです。
しかし、この確定決算主義には大切な大前提があります。
それは、『会社法』です。
会社法とは、すべての会社が従わなければいけない法律です。
会社法では会社が行う会計について次のように規程しています。
『会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。』
つまり、確定決算主義だからといってでたらめな決算書までもが認められるというものではありません。
私は前回、自主申告するのも一つの方法だとお話しました。
しかし、それは一般的な会計処理の基本が守られていることが大前提です。
何でもかんでも出せばいいというものではありません。
その結果、必要な時に、必要な資金を銀行から借りられなくなってしまうこともあります。
しかし,私はその社長のやってこられたことが間違っていたとは思いません。
ただ、その社長には相談相手がいなかった。
わたしたち税理士は申告書を作成するだけが仕事ではありません。
日常の経理上の疑問や、決算処理の相談に応じるのもわたしたちの大切な仕事です。
わたしたちエー・アンド・パートナーズ税理士法人では、低料金で経理周りの相談にお答えする『財務プライベートコンセント』サービスを行っております。
次の方々に最適なサービスです。
1.新規開業で顧問税理士を頼むまでもないとお考えの方
2.自主申告で毎年悩まれている方、、
3.顧問税理士以外の専門家の意見が欲しい方
上記の方々は、是非一度
『財務プライベートコンセント』サービスのご利用をご検討ください。

Japan is No.1

世界において、日本が1番のものを探してみます。
インターネットで治安 ランキングを検索。
イギリス経済紙エコノミストが発表している『世界平和度指数(2010年)』によると、1位はニュージーランド、2位がアイスランドで、日本は3位にランキングされています。
日本には、銃規制があり、諸外国に比べて、移民・外国人が少ない。
また、貧富の差が他国に比べて、それほど激しくない、といったような理由から、日本の治安の良さがあるわけですが、それでも1位ではないのです。
(そう考えると、北■鮮が、ダントツ1位のような気が・・・、実際は139位)
科学技術力はどうでしょうか?
総務省の統計によると、
研究者の数は、アメリカ、中国、に次ぐ3位(総人口が随分違いますけどね)
国内研究費でも、アメリカが1位で、日本が2位となっています。
・・・これも1位ではない。
あっ、・・・ついに見つけました、日本がNo.1、ただしアイロニーなNo.1。
・・・法人税率。
日本の法人税率は約40%、先進諸国の中では最も高いのです。
参考までに、各国の法人税率は次のとおりです。
アメリカ 39%
フランス 33%
ドイツ 29%
イギリス 28%
中国 25%
韓国 24%
ロシア 20%
香港 16%
参考:JETRO
法人税率が高いことによるデメリットはいくつもありますが、
■給料や各種経費への配分が少なくなってしまうため景気が悪くなる
■ジャパンマネーが軽課税国へ流れ、また、外国企業の対日投資が減る
といったあたりが主なところです。
しかしながら、本当に法人税率を下げてもいいのでしょうか?
日本は収入よりも支出が多い国、その差額を借金で工面している、というのが現状です。
「ただでさえ少ない収入をさらに減らす?日本の財政状況はどうなるの?」といった声が聞こえてきそうです。
ここで登場する考え方が『法人税パラドックス』です。
学者やエコノミストの多くが唱えています。
『法人税パラドックス』とは、
■税率を下げることと、租税特別措置法(スポット的な減税措置)の見直しはセットで行われ、それ相当の減税措置が廃止になる。
■個人事業と法人との税バランスを考慮し、新規設立法人が増え、法人自体のパイが増える。
■税金が下がった分、設備投資や、労働分配に充てることができるため、景気の循環がよくなり、個々の法人の利益が増える。
といったようなロジックから、法人税率を下げても、法人税による税収は減らない、という考え方です。
内閣が6月に発表した『新成長戦略』においても、法人税の減税は謳われていますし、平成23年度税制改正に向けた各業界からの要望でも、法人税率の引き下げは最初に掲げられています。
また、帝国データバンクが7月に行った『法人税率に対する企業の意識調査』においても、7割超の企業が「引き下げるべき!」と答えています。(当事者なのだから・・・、それはそうでしょう(笑))
それらを踏まえると、法人税率の引き下げは、平成23年度税制改正の目玉となることは間違いありません。
さきほど『法人税パラドックス』の1つの要因として掲げた、法人の新規設立について、当社でも会社設立サポートプランをご用意しております。
新規設立を検討されている方はお気軽にご相談ください。・・・と言いたいところですが、法人税率が引き下げられることを見込んでの、安易な設立目的の方はご遠慮ください。
HP上でも詳しく触れていますが、法人の廃業数は開業数の約2倍、当社も現場を通して事業の厳しさをイヤというほど見てきました・・・。
なかには、事業としての成立が困難と判断し、会社設立自体を考え直すようお伝えしたケースもございます・・・。
会社の設立自体が目的なのではなく、本気で事業の成功を考えている方は是非ともご相談下さい。
当社も本気でサポートいたします。

キューバの「15分」

いろいろなことがあって、約4年もかかってしまった本が、ついに出版されました。
原稿のやり取りは、3回も繰り返し、その都度に中身も大幅に変わるという大変な本になりました(著者のワガママでしかありませんが・・)。
本のタイトルは、『実学 中小企業のパーフェクト会計』です。
この本のあとがきは、以前、どこかで
転載させていただいたことがありますが、
この本の根幹になる考えが入っていますので、
一部を読んでいただこうと思います。
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(あとがき)
この本の執筆が終わった直後に、キューバを旅する機会を得ました。
現代史における有名な事件やブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの成功などたくさんのコンテキストを想起させるこの国は、単なる南国の島を超えた魅力的なところでした。
キューバの旅の最中に、馬車でヘミングウェーの別荘へ行くことになりました。タクシーで20分くらいと聞き、突然行くことに決めた予定外の行動でしたが、タクシーで目的地に向かおうとタクシー乗り場に行くと、馬車でも40分で行けると聞き、馬車で目的地に向かうことにしました。
しかし、馬車に揺られて1時間。まったく目的地らしきところにも着きません。ハバナを午前中に立たなければならないことになっていた私たちは焦りました。「後、どれくらいで着くのか?」と質問すると、馬車の運転手は「15分」と回答しました。すでに乗ってしまった馬車です。15分の我慢は仕方がないと諦めました。
ところが、15分後に同じ質問をすると、再び「15分」との回答・・。日本ではあり得ない話ですが、海外旅行では誰もが経験するであろうアクシデントの一つだと思います。
南の島の社会主義国では、私たちの国と比べると時間がゆっくり流れています。しかし、その南国の景色は、日本にもある。私はそう思います。
中小企業の経営者の中には、自社のROAや労働分配率、ひどいケースでは自社の売上げや利益さえわからないという人がいます。こうした景色と「15分」を言い続ける馬車の運転手に違いはあるでしょうか。
違うことがあるとすれば、キューバでは、「15分」と言い続けることができても、日本ではそれが無理だということくらいでしょう。
ヘミングウェーの別荘に行った私たちは、結局、別荘を見学する時間がなく、早々と再び馬車で戻りました。現地でタクシーを捕まえることができず、再び1時間半ほどの時間を要するしかありませんでした。
往復40分の予定時間は約3時間と4.5倍の時間に化けました。そして、ホテルのチェックアウトの最終時間に遅れ、タクシーの待ち合わせ時間にも遅れることになりました。
本書は、中小企業や自営業者のために実務的な会計の本を作ろうという考えから制作されました。本書内で紹介している数値管理は、実際に、私が主宰するエーアンド・パートナーズ税理士法人にて中小企業経営者の方々に提供させていただいているものです。
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キューバーでは必要のない「15分」の概念は、
日本では絶対に必要なものです。
その「15分」の概念を
たくさん、ねじ込んだ本が『実学 アクション会計』です。
出版になりましたら、ぜひともご購入ください。
中小企業会計のバイブル本ですので、価格は少々高いですが、お役に立つと思います。

値下げという圧力

皆さんの会社は、“値下げ”という圧力に悩まれていないですか?
競合会社との値引き合戦
デフレという世間的な値下げの波
取引業者からの単価引き下げのお願い etc.
値下げ圧力に抵抗するのはかなり難しいはずです。
仮に、この圧力を無視すれば、売上が“ごそっと”消える場合もあります。
ですから、ほとんどの会社は、値下げを受け入れざるを得えません。
これを跳ね返す事が出来るのは、競合がいないブルーオーシャンをひた走る企業か、一時的な売上減少をものともしない優良企業だけ。
結局、値下げ圧力に屈するしかない企業は、売上の減少に拍車が掛ります。
だからこそ、コストを下げない限りは生き残れない・・・。
「リストラなら、出来る事は全てやっているよ」
皆さん、そうお考えのはず。
ですが、いわゆるリストラではなく、本来の意味の『リストラクチャリング』を実行するのが本来取るべき手段になります。
つまり、ビジネスモデルの『再構築』。
そこで、今回は税理士業界で起っている値下げ圧力のお話をします。
最近、お客様からの新規問い合わせ理由で一番多いのが、“税理士報酬を減らしたい”です。
なぜ、税理士報酬を減らしたいのか?
「売上が下がって利益も出ない。
そんな状況で、適切なアドバイスもしてくれない税理士に
この顧問料は高いと思う」
確かに、皆さんのお話を聞く限り、税理士の仕事と報酬が一致していません。
これを適正な水準にしようと、比較的ムダだと思われがちな税理士報酬に値下げの圧力が掛っています。
この値下げ圧力に対してこの業界が取っている対応は、報酬の引下げと引き換えに、仕事の質量を単純に引下げるという方法です。
ここに、お客様の満足度は考慮されません。
お客様の側も、報酬が下がるなら構わないというような姿勢です。
しかし、一度そのお客様との付き合い方を変えた場合、仮にお客様側の状況が変化しても、税理士事務所側のやり方が変わるのは中々難しい・・・。
つまり、柔軟な対応が出来る税理士事務所は数少ないのが現状です。
そして、その不幸な関係のまま付き合いが浅くなり、数年後に税理士が変わるという流れです。
こうなると、柔軟な対応を考える税理士事務所は、やり方を変え、コストを下げ、お客様の満足度を満たしつつ、顧問料を“相対的に”下げる方法を提案するしかありません。
それこそ、ビジネスモデルのリストラクチャリングが求められます。
ちなみに、常に柔軟でありたいと考えている当社では、下記のシステムを導入しました。
http://www.isllight.jp/jp/
簡単に言えば、パソコンの遠隔サポートシステムです。
導入理由は、お客様への訪問時間・回数の短縮による時間効率を高めつつも、コミュニケーションレベルは下げないためのツールとして有効と考えたからです。
税理士事務所のコスト構造は、分析するまでもなく人件費比率が圧倒的に高い。
また、労働集約的なビジネスのため、どのお客様にどのくらいの時間を割くかの管理が重要になってきます。
そのため、時間効率を高める事が、報酬を相対的に下げるための必要条件となります。
このようなシステムを用いれば、事務所内にいながらお客様の会計データ等を直接サポートする事が出来ます。
さらに、メールや電話では上手く伝わらないお話の時に、資料をPDFでメールしつつ、その資料を画面共有で“ペンを入れながら”説明も出来ます。
近年、会計ソフトのWEB化の導入期でもあり、効率性を重視する税理士事務所が積極的に導入を進めています。
ただ、効率性だけを考えたモデルですと、LIVE感のない機械的な仕事になりがちなので、それを嫌がるお客様もいらっしゃいます。
当然、税理士事務所側の仕事の精度も落ちます。
当社は両方を扱っていますが、今のところお客様の反応が良いのが、会話しながらお客様のパソコン画面を共有する遠隔サポートシステムでした。
私個人としては、お客様の現場に立つという事を重視しているので、遠方でも訪問して仕事をしたいという気持ちもあります。
しかし、その方法だけにこだわっていては、新しいモデルを取り入れる事が出来ません。
結局、当社も『税理士事務所のコスト構造』からどのように柔軟に脱却するかを考えながら、リストラクチャリングを模索しています。
この模索が、新しいビジネスモデルの創造につながると考えているからです。
そういう意味では、近年のような値下げの圧力をビジネスモデル変更のシグナルと捉えている企業は、次の圧力の波を乗り切れるかもしれませんね。
いずれにしても、値下げの圧力に為すがままの状態では、潰れゆくのが見えていますから・・・。

え・い・か・い・わ~の・・・。

またまた潰れてしまいました。
英会話学校が・・・。
一昨年の最大手NOVAに続いて、これまた大手のジオスです。
「もう、英会話学校にお金を払わない!」
という方が続出しても、おかしくはありません。
そして、英会話学校に限らず、前受金ビジネスを展開している中小企業の皆様にとっては他人事ではありません。
「倒産が怖いので、解約します! 返金してください!」
このように言われたとき、即座に対応出来ますか?
英会話学校の場合、NOVAの件の後は解約による返金を受け付けているようです。
しかし、ある大手予備校のWEBサイトを確認したら、通常解約による返金は不可能との事でした。
これは、前受金ビジネスについて統一的なルールがある訳ではなく、業界や企業毎に対応が異なっているから当然です。
ここで、英会話学校を取り巻く現在の状況から、きっと誰もが“あそこは大丈夫か?”と思うであろう、大手校のイーオンについても調べたくなりました。
ちなみに、イーオンは上場企業ではないので、財務諸表は公開されていません。
そうしましたところ、WEBサイトに【安心して学べる英会話学校】とうたって、下記内容が掲載されていました。
ちょっと長いので、段落を分けつつ転載します。
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通常、多くの英会話学校は、大学や専門学校と同じように生徒様から授業料を前納していただくことで、クラス編成や教師配置の計画性を高め、学校運営を安定させていく経営方法を取っています。
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真っ先に、お金を前納してもらう理由を掲げています。
確かに、計画性が保てないビジネスは相対的に経営リスクが高いのは間違いありません。
間接的にですが、前納してもらう事によってサービス料金を低く抑えていると言いたいのだと考えます。
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イーオングループ会社も一部のコースを除き授業料は前納制ですが、その前納された授業料のうち、未経過分(前受金)の50%を 通常の運営資金から切り離し保全するために、みずほ信託銀行株式会社との間で分別信託制度を導入しています。
在籍している全生徒様と、今後新たに入学や更新をされる全生徒様の入学金、授業料、システム管理費の未経過分が対象となるこの「前受金分別信託制度」は、授業料等の支払いにまつわる生徒様の不安や疑問を解消し、安心して受講していただくためのものです。
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この分別信託制度を簡単に説明すると、お客様に返金する可能性があるお金を通常の運転資金とは分けて、信託銀行に別口で預けるという事です。
つまり、まだもらう権利がないお金は使えないようになっているのです。
NOVA の場合、分別信託制度を取ってはおらず、預かっているお金のほとんどを運営資金に使っていたため、お客様に返金する事は出来ませんでした。
ちなみに、保険会社に支払っている、積み立て型の保険料も同じような仕組みです。
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過去において業界の大手校が経営破綻した時、多くの受講者が前払いした授業料が返還されないという事態が生じました。未経過授業料の50%を信託保全することにより、将来的に万一弊社グループ会社の事業が継続困難になった時でも、この保全額相当分は確実に生徒様全員に返還保証されることになります。
さらに、分別管理後におきましても、保有する手元流動性資金(現金、預金、有価証券等)で、前受金の全額を十分まかなうことが可能です。弊社グループ会社はかねてから業界内では良好な財務体質を誇っております。
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イーオンが倒産する事になっても、未経過分の50%は確実に返金出来ますと伝えています。
また、残りの50%も、十分に返金出来る程の資金力があるので安心してください、とアピールしています。
以上、イーオンの財務諸表を確認する事が出来ないので真偽は分かりませんが、大抵の人はある程度納得するでしょう。
いかがでしょう?
イーオンの手法はあくまで選択肢の一つです。
しかし、このように会社の方針を明確にアピール出来れば、お客様から不安の声が上がった時に、現場スタッフでも速やかに説明出来ます。
当然、イーオンも“NOVA&ジオス”ショックでダメージを受けているでしょうから、厳しい経営環境には変わりません。
ただ、上記のような“抑止力”としての手段は講じています。
そして、NOVAから事業を引き継いだジー・コミュニケーションも、支払方法に月謝制を導入し、お客様の不安を取り除こうと懸命です。
月謝制は、お客様にとって前納よりも単価は高くなりますが、倒産によるリスクはグッと下がります。
思い起こせば、子供の頃に通っていた書道教室やそろばん教室は月謝制だったはず。
それがいつの間にか、サービスの多様性とともに月謝制よりも前納が主流になり、その分料金も下がりました。
これから当分の間は、もっと倒産企業が増える事が予想されます。
その度にお客様はビクビクし、企業側もビクビクします。
前納なり、月謝なり、財務諸表の公開なり、分別管理なり etc.
お客様に、選択肢と明確な説明を与える事が出来る企業が、生存の可能性を高めます。
今まで通りのビジネスモデルが通用するのは、今日までかもしれません。
他社の倒産劇から学ぶべき点はたくさんあります。
単なるニュースで終わらさず、その都度立ち止まって考える事をお勧めします。

投資の世界と経営

当社では、“なっちゃって・シリーズ”という専門家を少々愚弄するかもしれない「セミナー」を時々行っています。
そして、今年の“なんちゃって”は、『投資』について行いました。
題して、『なんちゃって投資セミナー』
ファンドマネージャーでもない私が、
投資について“なんちゃって”する。
そして、“投資”の知識を経営に活かすというのがテーマでした。
大学時代から株で運用を行い、
(今では、普通のことでしょうが、1980年代に大学生が株をやっているというのは、かなり異様なことでした)
社会に出てからは、国債のディーリングの黎明期に現場での経験をしてはいますが、今のような複雑化している投資の世界では、素人も素人。
イッタイゼンタイナニヲハナスノ・・という感じです。
しかし、専門家では見えないものが、門外漢からは見えたりするのが面白いところ。
特に“投資”の世界は、経営の世界での応用余地がたくさんあります。
そもそも、投資の世界における常識の一つである、
多くの無知な生け贄の存在があって、一部の勝ち組が良い思いをする構造は、経営の世界でも同様でしょう。
多くの無知な生け贄が、最もやられてしまうのは、
“新市場”とか“新技術”という言葉が踊る時と決まっています。
私は、新しいものに振り回されることを
「サンバを踊る」と言っていますが、
今も多くの人たちが“新しい”に引っ張られて、
サンバを踊っています。
しかし、実際に長く儲かっているのは、
地味な会社と決まっています。
財務的には、保守的で、
新しいことをやりたがらない。
むしろ、コアにこだわる。
そういう会社は、“投資”的にも、
おいしいことが多いのですが、
地味なために、注目はされないのが相場です。
しかし、この“当たり前”のことが
わかっていても、
私たちは、新しいものに振り回されます。
地味なことに飽きるからか、
得体の知れない恐怖心からか
何かにすがるような行動を取ってしまいます。
また、
相場の動きをフラクタルと考えたマンデルブロの研究なども
実務で応用できる知恵だと思います。
彼の研究の一つに、
事象の長期記憶についての研究があります。
正直、理系の人でないと難しくて理解に苦しむものですが、
それを、私たちの実務経験を踏まえて読み解いてみると、
とても面白い発見があります。
投資の勉強をちゃんとしておけば、
騙されることもなくなりますし、
いくらかは損をする機会は減るはずです。
したがって、本来は、
絶対に学習しておくべき知識でしょう。
しかし、経営者が、
投資の世界について基礎から知ろうとすることは
普通ありません。
でも、経営と関連づけて学んでみると、
“投資”という世界から離れた面白さがあります。
無知な生け贄にならずにすむだけでなく、
経営に活かすこともできるのですから、
ぜひ、基本的なところから紐解いていくことをお勧めします。
会計やマーケティング、戦略、組織・・などの
カテゴリーだけが経営の重点項目ではありません。

伝説の・・・。

皆さん、舞ちゃんの指導は受けられましたか?
『伝説のキャバ嬢コンサルタント 舞ちゃんの世界一たのしい社長の教科書』
こんなコンサルタントが実在して欲しい(笑)
そこで、今回はこの本のエピソードの一つに出てくる
【内部留保】のお話をします。
当然、経営者の方々は“内部留保をしなければ!”とお考えですよね?
皆さんご存じの通り、内部留保の方法は二つ。
A.会社でより多くの利益を出し、税金を支払った後に残るお金を会社で貯める
B.役員報酬を適正な金額よりも多く取り、生活費を除いた部分を個人で貯める
経営者のみならず、誰もが税金を払いたくないもの・・・。
特に中小企業はその傾向が顕著で、極力Aを回避します。
ですから、9割以上の経営者は、結果的にせよ意識的にせよ、Bを選択されています。
Bの具体的な方法については、
『あなたの会社にお金を残す 岡本式「戦略帳簿」のススメ』で詳しく説明されていますので、興味がある方はご覧ください。
ここまで露骨に書かれている本は、他に目にした事がありません
(苦笑)
また、節税保険等もあるとお考えの方もいらっしゃるでしょうが、これは解約したときに課税されるので、内部留保とは違います。
課税の先送りにすぎません。
原則として、内部留保とは税金を支払った後のものです。
以上、内部留保の方法は単純明快で、当然にその必要性も理解されています。
では・・・。
皆さん、内部留保の使い方についてはどうお考えでしょうか?
「使い方と言ったって、“いざ”という時の為に貯めておくのだから、“いざ”という時に使うに決まっているじゃないか!」
では、“いざ”という時とはどんな時でしょうか?
ケース1. 危機的資金不足時
これは、潰れるか否かの瀬戸際なので当然です。
ですが、本当の危機的状況時に、個人レベルの内部留保で足りるはずはありません。
せめて数か月延命させるのがやっとです。
その内部留保を投入せざるを得なくなる前に、撤退を含めた判断が必要になります。
ケース2. 戦略的投資のタイミング
問題は投資です。
意外と理解されていないのが、持続的な成長軌道に乗っている会社の多くが、内部留保をテコに積極的な投資を行っているという事実です。
個人で内部留保した資金を、増資や貸付という名目で会社に再投入し、その資金を投資に充てています。
運転資金に充てるためではありません。
あくまで投資用です。
ほとんどの経営者の方は、内部留保はそのままに、通常の営業活動の中で徐々に売上高を上げ、会社を大きくされようと考えます。
ただ、節税を絡めて個人に内部留保を移転している状態で、それが可能かどうか・・・。
極端な話、余程の高収益を叩いている会社ではない限り、資本金1,000万円、役員借入金ゼロのままの会社に残されている内部留保は限られているのではないでしょうか?
そうであるにもかかわらず、業績が伸び悩んで・・・とおっしゃるのは、少し意味が違うように感じます。
もちろん、拡大路線が良いという事ではありません。
拡大を目指さないのであれば、個人で内部留保し続けるのが正解です。
ですが、拡大を目指している企業にとって、“内部留保という名目”でお金を貯めつづけなければならないという思い込みは、成長の足枷になるのではないかと考えます。
また、ではどのように投資していけばいいのか?という話になると、中長期的な視点からの企業戦略を検討する必要があります。
例えば、3年後のビジョンを考えると、“今”何に投資を行う必要があるのか?という視点です。
毎年の経営計画を立てている会社は多いですが、中長期ビジョンに基づく戦略的投資計画を考えている会社は多くありません。
当然、どのような会社が成長する可能性が高いかと言えば、やはり戦略的投資計画を立てられている企業です。
もちろん、その分リスクが高いとも言えますが、これは成長か現状かの選択の問題です。
今回は、あえて内部留保という“絶対善”に対して、別の角度から光を当てました。
せっかくの内部留保も、明確な意図を持って行わなければ意味がありません。
特に、個人で内部留保を行っている場合、会社に再投入するのは意外と大きな決断が必要です。
この辺も、舞ちゃんみたいに“ビシッ!”とした指導で、背中を押してくれるアドバイザーがいると頼もしいですね。

国の形を決めるもの

拝啓
鳩山首相。
それは、「友愛」ではなく、「税制」です。
残念ながら・・・。
“世界一幸福な国”と耳にするデンマーク。
この国は、医療費や教育費が無料で、老後の生活も保障されていると言われます。
「不安が少ない=幸福」という事でしょうか。
当然、そのような高福祉を維持するために、税金は高額です・・・あり得ないくらい。
ですが、国民の福祉に税金を使うというスタンスが明確であり、国の方針と税制がマッチしています(その良し悪しは別として)。
さて、日本はどうでしょう?
昨年の12月22日、政府から平成22年度の税制改正大綱が発表されました。
もちろん、そこからは日本の国の形は見えません。
残念ながら。
国の形を決めるものが税制というのでは、夢も希望もありません。
しかし、それが現実です。
民主党も自民党も国の方向性を決められないので、現在のぐちゃぐちゃな税制を抜本的に見直す事を出来るはずもありません。
きっと今年の秋も、事業仕分で税金の足し算引き算を行っていることでしょう。
税制改正大綱に話を戻しますが、最後に参考資料としてグラフ図の掲載がありました。
100ページ以上の内容を読むよりも、このグラフ図を見るだけで政府が示唆する事が分かります。
以下の二つのグラフ図は、法人に関係のあるもののうち、企業が負担する税金と社会保険料の国別比較です。
図1
図2
説明文はありませんが、この表を掲載する意図は明白です。
1.法人課税の減税
2.社会保険料の事業主負担の増加
どれも自民党時代からの流れであり、目新しさはありません。
ただ、ここまであからさまに見せられて、触れない訳にはいきません。
つまり、政府はこう言いたい訳です。
「日本企業は、まだまだ社会保険料を負担してもらわないと困りますよ」
皆さんも十分ご認識の通り、この社会保険料負担の増加は企業にとって死活問題です。
しかも、法人課税の減税と、社会保険料負担の関係性・・・。
社会保険料が増えるという事は、それだけで利益は圧縮されます。
そもそも、課税される利益が少なくなるという前提があるので、そこで税率を下げても、税収に与えるインパクトは少ないのです。
ですから、法人課税の減税など、社会保険料負担増加の目くらましに過ぎません。
社会保険料負担の増加を嫌えば、企業は海外に目を向け、そして派遣社員のニーズも高くなります。
ですから、派遣社員へ流れる就業者は今後も増加する一方のはず。
にもかかわらず、製造業への派遣禁止措置・・・。
さらに、昇給がなくても人件費が自動的に上がるので、経営側からすれば、仕事が出来ない社員の給与を上げる事は出来なくなります。
つまり、現政権が掲げる格差是正は、縮むどころかさらに広がる可能性を秘めています。
「国民の生活が第一です!」と言いつつ、税制が伴っていません。
消費税の増税を先送りし続け、企業への負担増を求める。
本当にこれが日本のためになる税制かとあきれてしまいます。
とはいえ、今の日本の政治に求めても無理なので、仕方はないのですが・・・。
ただ、企業が国と同じように混迷してはいけません。
国の形が税制によって決められるように、企業の形は収支構造によって決められます。
自社が何を実現していくのか?
その実現のために、何からどのように収入を得、何のためにどのくらい支出するのか?
表現の仕方として正しいかは分かりませんが、
“理念”と“収入”と“支出”が三位一体とならない限り、思い描く経営は実現できません。
年頭から重い話ですが、1月は、企業の形とその形にマッチした収支構造を思案する絶好の機会です。
現在の日本は、ダメ企業の形の典型です。
くれぐれも、理念倒れ、売上偏重、メリハリなき支出の企業にはならないで下さい。
待っているのは破綻以外の何物でもありませんので。

会計という単純作業

有料メールマガジン『週刊 岡本吏郎』の原稿に、
ウィリアム・ジェームズの言葉を引用した(配信はこれから)。
引用した文章の一部を・・。
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毎日、ほんの少し、無益なエクササイズをすることで、
自分のなかの努力家の部分を眠らさないようにしておきなさい。
すなわち、不必要な小さなことにおいてながら、
体系的に英雄的でありなさい。
毎日、あるいは、一日おきに、特に意味のない、
やるのが困難だと思うだけの課題を実行しなさい。
そうすれば、緊急事態が近づいたとき、気力を失ったり、
訓練不足で慌てたりせずに、試練に耐えることができます。
保険料を払うのは気分の良いものではないし、
何の役にも立たないかもしれません。
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「会計」というと、
なんやら難しいことのように感じる人も
いるけれど、
要は、
単純作業の繰り返しを土台に成り立っている。
昔のように、
伝票や元帳の記入は必要なくなり、
その作業は、ずいぶん軽減されたけれど、
細かな単調な作業がなくなることは絶対にない。
そして、
まったく意味があるんだか
ないのだかわからない積み重ねの
先に、経営を語るいろんな世界がある。
はっきりしていることは、
この単純な作業を
適当にやっていると、
どんなに立派なことを
言っていてもお寒いことになることである。
しかし、
それは会計だけのことではない。
実は、
会計が・・ではなく、
単純作業が・・なのだ。
ウィリアム・ジェームズの言葉がそれを表している。
人が農業を始めた時重要になったのが、
識字力と計算力というスキル。
その後、
産業革命で、これに忍耐力が加わった。
その状況は、
今になっても何も変わらない。
今も必要なモノは
この3つ。
成功法則は必要ない。
世の中は、
ますます不況色を強めていくと思われる。
そして、
この3原則はますます光を放つ。
今ほど、
基礎能力が試されている時代はない。
会計はその一つである。
過去に、
円が360円の時、
沖縄だけは、120B円だった(“B”と入っているのは間違いではありません)。
沖縄の多くの企業は、
超円高の為替政策で潰れていった。
しかし、
潰れたのは全ての企業ではない。
生き残ったところはある。
そして、
その差は、会計という単純作業にあった
ことがわかっている。
当たり前の話だけれど、
この当たり前を強調しておきたい・・。