東京オリンピックにて熱戦が繰り広げられていますが、日本のメダルラッシュが注目を集めています。
もちろんホームでの開催という最大のメリットはあるのでしょうが、競技強化費の重点配分も取り上げられていました。
同庁は各団体の強化策や大会成績をもとに競技団体を5段階評価。最上位のSランクは約30%、Sに次ぐAランクは約20%強化費を上積みする方針を示した。リオ五輪後の16年にまとめた「鈴木プラン」で示した選択と集中を具現化した。Sランクには柔道や体操など5競技。Aランクにはスケートボードやソフトボール、スポーツクライミングなど10競技が選ばれた。 ~中略~ 英国と異なるのは幅広い競技に配慮した点だ。強化費を支給しない競技もある英国と異なり、柔道や体操などの「お家芸頼み」脱却を目指す日本は、最上位の水泳と最下位のゴルフの格差を10倍以内にとどめ幅広い分配に取り組んだ。 (日本経済新聞:2021年7月30日)
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重点配分は行いつつ、公平性にも配慮するというのが日本らしいですが…結果を求めるためにはリソースの重点配分が必須なことが分かります。
話は変わりますが、一年掛けて募集している事業再構築補助金。苦しんでいるが、やる気がある中小企業に重点配分しようという補助金です。しかし、採択された案件を見ても、「本気か?」というような内容が数多く見受けられます。補助金を目当てに、逆に負債を抱えたと言わざるを得ません。つまり、「その事業、絶対にやってはダメでしょ!」という案件がとても多い印象です。強みを強化するどころか、借金して不足しているものを必死に埋めようしています。
また、近年急速に進むDX。強みを強化するという観点よりも、効率化に重点が置かれているように思われます。もちろん、強みに対してDXが不要であれば別ですが、よほど俗人的なサービスでない限り、不要ということはないでしょう。
そして、DXが目的となり、その前段階の現状把握と課題設定が不明確。導入したら大混乱、想定外のことも起こって、むしろ手間が掛かっているということが少なくないはずです。
公平性や効率化より、中小企業が勝ち残るためには「強み」です。そもそも強みが分かっていなければ重点配分もできません。
何を伸ばし、何を切り捨てるのか…。選択と集中、重点配分…。
言葉としては理解していても、実際に行動に移せる方は多くありません。
スタートラインに立つ前に、そしてお金をかける前に、自らを理解して臨まなければなりません。
「その強み、むしろお金を掛ける必要すらないよ!」というケースもあるくらいですから。