私が見る限り店員はわずか3名でした。
1月初旬に私が訪れた300坪を超えるGUの大型店舗です。
ご存知のようにGUはファーストリテイリングの完全子会社で、ユニクロより低価格なカジュアル衣料品を販売することで知られています。
今回私は、近所にあるGUで導入されているセルフレジがすごいという話しを妻から聞き、遅ればせながら「どれどれ」と実際に体験しに行くことにしました。
米のアマゾン・ゴーや中国を始め、日本でも無人コンビニの実験店舗などが話題になっていますので、それに比べればあくまでも「セルフレジ」と、高を括っていました。
しかし、正直かなりの衝撃を受けてしまいました。
今までのセルフレジとは比べ物にならないほど簡単で、しかも圧倒的に早いのです。
買い物客は購入したい商品を買い物かごに入れ、セルフレジ手前でシャツやニットにかけられていたハンガーを外し、そのまま買い物かごごとレジの下にあるボックスに入れてボックスのドアを閉めます。
すると一瞬にしてボックス内の商品についたICタグが読み取られ、レジ画面に商品と価格が表示されます。そして現金を入れるかクレジットカードをスキャンするだけ。
あとはドアを開けて買い物かごを取り出し、用意されている袋に商品を自分で詰めて終わりです。
デニムなどパンツ類をレジが認識すると画面で裾上げの有無を尋ねられます。
裾上げを選ぶと引換券がレシートと一緒に出力され、この時だけレジ付近にいるスタッフが近寄ってきて、その時の込み具合によって仕上がりの時間を記入してくれます。
文章だと伝わりづらいかもしれませんが、スーパーで品物1つ1つを自分でスキャンするセルフレジとは全く異なり、レジ下にあるボックスにかごごと商品を入れるだけで、一瞬にして複数の商品を読み取るこのセルフレジ、とにかく「すごい」の一言でした。
有人レジと比較して精算所要時間は最大で約3分の1に短縮されたそうです。
現在、業界を問わず人手不足は中小企業にとっても大きな問題となっています。
採用は困難を極め、私達の感覚とはかけ離れた賃金と、人材紹介会社への高額なフィーを支払わなければ採用ができなくなってしまいました。
しかし、その一方で、私たちの想像をはるかに超えたスピードで進化する世界。
皆さんはこの相反するとも捉えられる2つの現実をどう考えるでしょう。
GUではデニムなどを除いて、シャツやニットなどは全てハンガーにかけてあるため、お客様が手に取った商品を畳んで戻すスタッフは基本的に見当たりません。
300坪を超える大型店舗で目にしたのはセルフレジの利用をサポートするスタッフ1人に、試着室の横で裾上げ対応をするためのスタッフが2人、計3名でした。
しかも、このセルフレジ2015年5月には試験導入が開始され、既に2017年8月には全国GUの約半数の176店舗に設置されています。
私たち中小企業は税制も含め、常に様々な変化に対応していかなければなりません。
言わば「変化対応業」である我々は常に変化に対して敏感である必要があります。
経営者によって、目の前の変化をどう捉え、どう考え、どう動くか、または動かないかは異なるでしょう。
もちろん正解は分かりません。
インターネットで調べれば動画も見られますが、まだGUのセルフレジを体験していない方は、セルフレジが導入されている店舗へ足を運び、ぜひ自ら体験してみてください。
きっと多くの方の感覚が刺激され、様々なことを考えさせられるきっかけになるはずです。