デフレ経済の今、最も有利な投資資産の1つとは、はたして何でしょうか?
それは現金です。
私は新規に顧問をさせていただくようになったお客様には、経営において現金を多く持つことの重要性を必ずお話しさせていただきます。
なぜなら経営において起こる問題の多くは、お金があれば解決できることだからです。
そのため、この超低金利時代にあっては、多少多めに融資を受けて現金を蓄え、不測の事態に備えてもらうようにアドバイスしています。
金利は会社経営のための保険料と考えれば良いのです。
さて、話しは変わって相続対策です。
ここでも私は資産を現金で保有することの重要性をお話しさせていただきます。
世の中には不動産を使った相続対策などが、あちこちで説かれています。
これは不動産の相続税評価が時価よりも低くなることを利用して相続税を減らす効果を狙うことが目的の1つとして考えられます。
しかし、本当に効果はあるのでしょうか?
バブルの時代ならいざ知らず、今は不動産の価値は上がっていきません。
上がらないどころか、多くのケースでは毎年その価値を下げていきます。
相続税評価が下がるのは事実ですし、相続対策として実に上手く機能することもあります。
しかし、多くの物件は相続の評価が下がるように、実際にその価値も下がっていくのです。
もちろん東京圏の好立地にある物件など、ごく一部には価値が下がらない、若しくは上がっていく、相続対策に持って来いな不動産もあるにはあります。
しかし、残念ながらこうした本当に相続対策に有効な不動産の情報は、ちょっとやそっとのお金持ちのところには降りてきません。
ごく一部の本当の富裕層を顧客に持つプロにしか情報は回らないのです。
さて、そこで再び現金のお話しです。
現金で持っていれば、相続税の納税に困ることは決してありません。遺産分割も容易です。
確かに不動産と違い、その相続税評価は1円たりとも下がりません。
1億円の現金の財産評価は1億円です。
しかし、デフレ経済下にあっては、現金は常にその価値を上げていることを忘れてはいけません。
物の値段が上がらないか、下がっていくのがデフレ経済です。
物の値段が下がっていくことは、これすなわち「お金の価値が上がる」ということです。
つまり、デフレ下においてはお金を使わず、手元に持っているほど、その価値は上がってくることになります。
不動産が毎年値上がりしたバブル期と違い、資産を現金で持っているということが非常に有利に働く時代なのです。
経営においても相続においても、有効な対策、セオリーは時代背景によって大きく変わっていきます。
このことを理解しないで行う経営や相続対策は、時代遅れで的外れなものとなりかねず、その先には地獄が待っているかもしれません。
覚えておいてください。
デフレ経済の現在は「現金最強」なのです。