「マイナス金利、その影響は?」
と、よく聞かれるようになりました。
「住宅ローンの金利も下がるようだし、会社で借りるお金の金利も下がるのかな? いま借りておいた方がよい?」
そう思われるのも当然です。
結論からお伝えすると、企業向け融資の金利も下がる可能性があります。
そもそも、企業の場合は融資の金利に個体差が激しいため、もともと優遇されている企業は更に有利になるでしょうし、もともと厳しい企業はそれほど変わらないか、場合によってはさらに厳しくなる可能性もあると考えます。
ただ、どの企業においても、「借りませんか?」とのオファーは増えることでしょう。
中小企業の経営環境は、ますます不透明感が増してきました。予想以上に売上が伸びない、現状維持が精一杯、利益率が下がってきた・・・、このような不安をお持ちでしたら、迷わず借入を増やすことをお勧めします。
お金で頭を悩ませるようでは、本業に悪影響を及ぼしますので。
特に3月は企業向け融資も決算セールです。少しでもお金に不安がある企業は早めに交渉を始めてください。来年になると、史上まれにみるこの低金利環境はどうなるか分かりません・・・。
なお、リース契約もマイナス金利の影響を受ける可能性があるため、多額のリース契約をご検討の企業は要注意です。
また、マイナス金利の影響で、一時払い終身保険の販売停止が始まっています。
「一時払い終身保険が販売停止されます!今のうちに加入しておかないと損しますよ!」と保険代理店や金融機関から駆け込み営業を受けている方も多いと思われます。
一時払い終身保険は、相続対策等でよく使われる節税商品です。保険会社が破綻しない限りという前提が付きますが、非常にシンプルで安全性が高く、利回りも預金などに比べてかなり高いため、使い勝手がよいのです。
さらに、80歳を越えていても契約でき、健康診断などは必要ないため、基本的に契約時期を選びません。
ただ、現役世代が一時払い終身保険に加入する必要性はありませんのでご注意を。
大抵、現在加入されている死亡保障目的の保険で、相続税の非課税限度額(法定相続人の数×500万円)はカバーできていますし、お金を寝かせてしまうだけです。
お勧めできるのは、ご自身、父母又は祖父母がご高齢で、生命保険に加入しておらず、寝かせてもよいお金があり、かつ、相続税が掛かる方です。
「利回りが良い運用商品! もうすぐ販売停止!」などの口車に惑わされないでくださいね。
しかし、「マイナス金利」という漠然とした不安感からも、消費者行動は促されるものだなと・・・。住宅業界や保険代理店等、追い風を受ける業界もありますので、自社に与える影響もご検討ください。