来年4月からの消費税増税を前に、
中小企業者において消費税増税分を
価格に上乗せしやすくするため、大手小売業者の『消費税還元』などを
銘打った特価セールを禁止する臨時措置が話題となりました。
この臨時措置では、本来、消費者が負担すべき消費税増税分を値引き
したり、ポイント還元したりしていると解釈できる広告や宣伝を
禁止しています。
これらは中小企業の消費税増税による価格への転嫁を促進するための
対応として政府が決めたことですが、はっきり言ってありがた迷惑です。
そんな、ありがた迷惑な臨時措置ですが、一つだけ私たちにとって
とっておきの裏効果が隠れていました。
それが、『総額表示の特例措置』です。
総額表示とは、平成16年に導入された制度で、消費税を含んだ支払総額
で価格の表示することを定めた法律です。
この法律の施工前に、私は地元の商工会などで何度か講演の依頼を受け、
その度に、これは大事だと話をしていたのです、私の話し方がよくなかった
のか参加されていた皆さんはあまりピンときていませんでした(汗)
例えば、現在120円の缶ジュースは8%増税後いくらになるのでしょうか?
理論上は123円42銭です。
※120円÷1.05×1.08
ところがいうまでもなく自動販売機には1円、5円は使えません。
その結果、以前100円だった缶ジュースは、消費税が導入されたときには103円ではなく
110円となりました。
その後、消費税が3%から5%に引き上げられると、115.円ではなく、120円となりました。
それは何故か?
3%の価格アップでは事務コストすら賄えなかったからです。
これは便乗値上げではありません。
適正な利益を維持するための『価格改定』です。
ところが、価格改定の際にネックになってくるのが総額表示です。
改定後の価格に消費税増税分を乗せて表示をしなければならないため
一般の消費者に与える『割高感』は絶大です。
消費者からは、すぐに「便乗値上げだ!」と言われてしまいます。
現に、総額表示が導入されたときには、見た目で値上がりした印象が強く影響し、
一般消費者が買い物にいく機会が多いスーパーなどでは売り上げの減少が
みられました。
そのため、国は昔きめた法律を曲げる臨時措置をつくったのです。
この臨時措置によって新たに認められることとなった表示方法は
次のとおりです。
これらの表示方法は10月1日以降に解禁となります。
これによって、従来、税金によって割高感を与えていた商品等について
次のように表示することができるようになりました。
ただし、この措置を利用し税抜価格で表示した場合には、
『できるだけ速やかに』総額表示をするように努めなければならないとしています。
どの程度努めればいいのでしょうか?(笑)
皆さんはこの機会を逃していつ価格改定に手をつけますか?