先般、当社のコンサルティングのお客様に
税務調査が入りました。
そして、ある処理が不正と判断され、
3000万円ほどの納税を請求されました。
そして、その方の顧問税理士も、
税務署同様、処理の間違いを認めて
払うべきだと主張。
そのお客様は、納得できず、
当社の『財務プライベート・コンセント』という
税理士セカンドオピニオンのサービスを使い
相談にきました。
その方の話を聞いて
私が出した結論は、
税務署の言うことは聞く必要がない。
こちらの主張を言い切るべきということでした。
そして、
どのような主張をするべきかを
伝授しました。
結果は、納税の必要なし。
こちらの意見が無事通りました。
その方の顧問税理士さんに対する
不信を残して、税務調査は無事終了しました。
さて、この取引の認定では何に問題があったのでしょう?
それを一言で言うと、
税務署と顧問税理士さんは、税務だけから考え、
私は、税務で考えず、
民法で考えた。これだけです。
取引を、民法の原則で
俯瞰すれば、その目的も形態も明かで、
課税になる要件など最初からどこにもなかったのです。
その「最初からどこにもなかった事象」に3000万円の
納付を要求してきたのです。
それも、悪気があったわけではありません。
なぜならば、顧問税理士さんもその意見を受け入れたのですから・・・・。
しかし、
誠実に、税法だけを見て判断した・・というのでは困ります。
税務の現場では、時々、こうした税法の拡大解釈が起こります。
そして、それを阻止すべき税理士さんも民法をご存じでないと
税務署の言い分が正しいと判断してしまうようです。
私たちが毎日行う取引は、
民法、商法に基づいて行っていることになっています。
もちろん、そんなことを気にする人はいません。
こうした法律は、争いになったときに、
初めて、その存在がクローズアップされるからです。
しかし、主張が物別れになった場合、
こうした法律の存在感が大きくなります。
ですから、
民法、商法は私たちにとって大事な法律です。
しかし、税理士は、税務の専門家であって、
こうした法律は守備範囲ではありません。
それが、時々、問題を起こすことがあるのです。
この問題もそうしたケースでした。
もし、ご自分の生活感覚と税務の主張に
乖離がある場合、
このように民法や商法から考えてみてください。
自分の違和感が正しいという証明になることもありますから・・。