いろいろなことがあって、約4年もかかってしまった本が、ついに出版されました。
原稿のやり取りは、3回も繰り返し、その都度に中身も大幅に変わるという大変な本になりました(著者のワガママでしかありませんが・・)。
本のタイトルは、『実学 中小企業のパーフェクト会計』です。
この本のあとがきは、以前、どこかで
転載させていただいたことがありますが、
この本の根幹になる考えが入っていますので、
一部を読んでいただこうと思います。
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(あとがき)
この本の執筆が終わった直後に、キューバを旅する機会を得ました。
現代史における有名な事件やブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの成功などたくさんのコンテキストを想起させるこの国は、単なる南国の島を超えた魅力的なところでした。
キューバの旅の最中に、馬車でヘミングウェーの別荘へ行くことになりました。タクシーで20分くらいと聞き、突然行くことに決めた予定外の行動でしたが、タクシーで目的地に向かおうとタクシー乗り場に行くと、馬車でも40分で行けると聞き、馬車で目的地に向かうことにしました。
しかし、馬車に揺られて1時間。まったく目的地らしきところにも着きません。ハバナを午前中に立たなければならないことになっていた私たちは焦りました。「後、どれくらいで着くのか?」と質問すると、馬車の運転手は「15分」と回答しました。すでに乗ってしまった馬車です。15分の我慢は仕方がないと諦めました。
ところが、15分後に同じ質問をすると、再び「15分」との回答・・。日本ではあり得ない話ですが、海外旅行では誰もが経験するであろうアクシデントの一つだと思います。
南の島の社会主義国では、私たちの国と比べると時間がゆっくり流れています。しかし、その南国の景色は、日本にもある。私はそう思います。
中小企業の経営者の中には、自社のROAや労働分配率、ひどいケースでは自社の売上げや利益さえわからないという人がいます。こうした景色と「15分」を言い続ける馬車の運転手に違いはあるでしょうか。
違うことがあるとすれば、キューバでは、「15分」と言い続けることができても、日本ではそれが無理だということくらいでしょう。
ヘミングウェーの別荘に行った私たちは、結局、別荘を見学する時間がなく、早々と再び馬車で戻りました。現地でタクシーを捕まえることができず、再び1時間半ほどの時間を要するしかありませんでした。
往復40分の予定時間は約3時間と4.5倍の時間に化けました。そして、ホテルのチェックアウトの最終時間に遅れ、タクシーの待ち合わせ時間にも遅れることになりました。
本書は、中小企業や自営業者のために実務的な会計の本を作ろうという考えから制作されました。本書内で紹介している数値管理は、実際に、私が主宰するエーアンド・パートナーズ税理士法人にて中小企業経営者の方々に提供させていただいているものです。
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キューバーでは必要のない「15分」の概念は、
日本では絶対に必要なものです。
その「15分」の概念を
たくさん、ねじ込んだ本が『実学 アクション会計』です。
出版になりましたら、ぜひともご購入ください。
中小企業会計のバイブル本ですので、価格は少々高いですが、お役に立つと思います。