当社では、“なっちゃって・シリーズ”という専門家を少々愚弄するかもしれない「セミナー」を時々行っています。
そして、今年の“なんちゃって”は、『投資』について行いました。
題して、『なんちゃって投資セミナー』
ファンドマネージャーでもない私が、
投資について“なんちゃって”する。
そして、“投資”の知識を経営に活かすというのがテーマでした。
大学時代から株で運用を行い、
(今では、普通のことでしょうが、1980年代に大学生が株をやっているというのは、かなり異様なことでした)
社会に出てからは、国債のディーリングの黎明期に現場での経験をしてはいますが、今のような複雑化している投資の世界では、素人も素人。
イッタイゼンタイナニヲハナスノ・・という感じです。
しかし、専門家では見えないものが、門外漢からは見えたりするのが面白いところ。
特に“投資”の世界は、経営の世界での応用余地がたくさんあります。
そもそも、投資の世界における常識の一つである、
多くの無知な生け贄の存在があって、一部の勝ち組が良い思いをする構造は、経営の世界でも同様でしょう。
多くの無知な生け贄が、最もやられてしまうのは、
“新市場”とか“新技術”という言葉が踊る時と決まっています。
私は、新しいものに振り回されることを
「サンバを踊る」と言っていますが、
今も多くの人たちが“新しい”に引っ張られて、
サンバを踊っています。
しかし、実際に長く儲かっているのは、
地味な会社と決まっています。
財務的には、保守的で、
新しいことをやりたがらない。
むしろ、コアにこだわる。
そういう会社は、“投資”的にも、
おいしいことが多いのですが、
地味なために、注目はされないのが相場です。
しかし、この“当たり前”のことが
わかっていても、
私たちは、新しいものに振り回されます。
地味なことに飽きるからか、
得体の知れない恐怖心からか
何かにすがるような行動を取ってしまいます。
また、
相場の動きをフラクタルと考えたマンデルブロの研究なども
実務で応用できる知恵だと思います。
彼の研究の一つに、
事象の長期記憶についての研究があります。
正直、理系の人でないと難しくて理解に苦しむものですが、
それを、私たちの実務経験を踏まえて読み解いてみると、
とても面白い発見があります。
投資の勉強をちゃんとしておけば、
騙されることもなくなりますし、
いくらかは損をする機会は減るはずです。
したがって、本来は、
絶対に学習しておくべき知識でしょう。
しかし、経営者が、
投資の世界について基礎から知ろうとすることは
普通ありません。
でも、経営と関連づけて学んでみると、
“投資”という世界から離れた面白さがあります。
無知な生け贄にならずにすむだけでなく、
経営に活かすこともできるのですから、
ぜひ、基本的なところから紐解いていくことをお勧めします。
会計やマーケティング、戦略、組織・・などの
カテゴリーだけが経営の重点項目ではありません。