「ソープランドの非合法所得は7,346億円」
『週刊東洋経済』2008年3月8日号には、そんな試算が計算されていました。
ソープランドの市場規模は約1兆円(すごい!!)と推計されていますから、その70%以上が非合法所得として申告されていないことになります。
この話を知ると、きっちり納税している私たちは怒りを覚えるところですが、実は10年以上前に一般国民も鷹揚に非合法所得を得ていたことがあります。
その点について、P・F・ドラッカーは次のように書いています。
日本経済の秘密の一つとして、資本形成にかかわる脱税の奨励がある。日本では、金利が非課税となる中規模の貯金口座を一つもつことが許されている。
ところが実際は、日本にはそのような口座が、子供を含めた人口の五倍あるという。
もちろんこれは、マスコミや政治家が攻撃する違法行為である。しかし日本では、この制度の濫用を防ぐための措置については、きわめて慎重である。
その結果、日本は世界で最も資本形成率の高い国になっている。
1985年にドラッカーが指摘したマル優制度の全国民による濫用は、ドラッカーの指摘の後、大がかりな名寄せ作業を経て、追徴。濫用もできない形になりました。
そして、その後、例外を残してマル優制度は廃止になりました。
あの税額の増収はどこにいったのか?
日本政府、当時の名寄せ作業でかなりの税額を手にしたはずです。
消費税の施行、金貨の放出と共に、日本政府がセコセコと収入を上げようとしていた時代の景色でした。
しかし、ソープランドの例のように、まだまだ収税に鷹揚な部分があるのも事実です。
ドラッカーが指摘するように、日本政府いつもそうしたいい加減さを内包しているようです。
「税は平等」という御旗は、昔から、為政者側が放棄している部分があるというわけです。
こうしたところには書けないものも含め地下経済の非業所得は膨大です。
しかし、私たちはそれでも一生懸命働き納税をしなくてはいけません。
この現実をどう考えるか?
この点は私たちの生き方そのものが問われる部分かもしれません。