(今回は、有料メルマ『週刊 岡本吏郎』風の軽いノリで文章を書いているので、少々失礼な表現があるかもしれませんがお許しください)
昔、就職活動をしていたとき、面接のマニュアル本に出会った。
まぁ、誰もが経験してきたことでしょう。
その本を見ると(「読む」ではない・・)、面接のテクニックがずいぶん書いてある。
「なんだ、こんなものか・・」
大学4年生の私は思った。
気分としては、「世間をなめてかかった」と言う感じ。
世の中の全てはコントロール可能。そんな全能感を覚えた。
しかし、面接する側はそんなことは百も承知。
だいたい、みんなで同じようなことを答えていたら、おかしい・・と思うわね・・。
そして、現在は、そんな「世間をなめてかかった」行動に出会うと、二十歳を過ぎた青い少年の箱庭的な思考を思い出すのであった。
税金をごまかそう・・という思考はこれに似ている。
面接のテクニックが面接官からはお見通しのように、とてもお見通しなことを、とても頭のいい人が「おまえ、バカじゃないのー」という感じでやってしまう。
または、「よーこそ、いらっしゃーい!!」という感じでやってしまう。
中には合法的な節税なのだが、長い目で見たら「後で後悔しますよー」というものもある。
そういうものも冷静に考えればわかること。
でも、やってしまう頭のいい人はよくいる。
どうして、税金が相手だと、突然幼稚になってしまうのかわからないけれど、それは世の中の常識なのであった。
そういえば、こんなこともある。
例えば、ある人が「こうすると税金どうなるかなー?」と私に聞いたとする。
それに対して、私はプロとして答える。
ところが、その人はその答えが気に食わないとする(つまり、思いのほか税金が高いと言われたということです)。
すると、たいていの人が私に怒り出すのだ。
「どうして、そんなに税金が高いんだーーーぁ」
ってな感じである。
私は言う。
「私が安い税金を言って、税金が安くなるなら、いくらでも言ってやる。ゼロ円って言ってもいい。でも、私が何を言っても税金はかわらん。あんたは、怒る相手を間違っている、私を怒って税金が安くなるなら、いくらでも怒られてやる。しかし、私を怒っても意味はない」
だいたい、現実を見た段階で工夫が始まる・・というのはビジネスの常識なのに、どうして税金の話になると、いつも冷静な人が感情的になってしまうのか?
税金を安くする工夫はいつでも必要だ。
無駄な税金など一銭として払う必要はない。
しかし、その工夫を幼稚な思考でやるならば、待っているのは「しっぺ返し」という現実。
実は、税金の前で幼稚にならない・・という人ほど儲けている。
これ本当。
そういう人は、自分のビジネスにおいてもいつも冷静なんでしょう。
税金とは、経営者の優秀さを見るリトマス試験紙なのだ。
冷静に節税しましょう・・。