今年も確定申告の季節がやってきました。
昨日は恒例となった無料納税相談の当番日で、私は申告書作成の相談にあたりました。
ここ2、3年の間に相談会場の様子は一変しました。
以前は会議用の折りたたみ机がいくつも並べられ、みんな申告書に手書きさせられたものですが、最近ではすべての机の上にパソコンが設置されており、一人に一人、一般人の臨時職員(昨年はバイトの学生もいた)がついてパソコンの操作方法を教えています。
なぜこうなったかと言うと、数年前から国税庁のホームページでは確定申告書や消費税、贈与税の申告を手軽に作成できるサービスが設けられたためです。
ところが、税理士が行う相談ブースと税務署が行う相談ブースはパーティションで仕切られており、相変わらず手書きで申告書を書かせています。
この違いは何でしょうか?
税理士会の会議の中でこのことが問題にあげられました。
「資格のないバイトが申告書の作成を行うのは問題だ!!」
「間違ったことを教えている!!」
確かに私もバイトくんが間違ったことを教えているのを見たことがあります。
しかし、ちょっとした間違いです。悪意なものではありません。
仮に申告が終ったあとで間違いが判明しても大問題となるようなことではありません。
ようは“直せばいい”。
しかし、この“直せばいい”ということに抵抗がある方も少なくないのは事実です。
話題を変えましょう。
今から10年程前の話になりますが、生意気だった私の話をします。
当時税理士になる勉強をしていた私は受験勉強もひと段落し就職先を探していました。
会計事務所ではなく中堅企業での就職を探していたところ、『上場準備のため財務部門を統括する人材を求む』という求人を目にしました。
さっそく連絡をし面接に行きました。
面接をしていただいた方の肩書は覚えていませんが役付きの方でした。
私は面接の最初にこう切り出しました。
「御社には税理士はいますか?」
「いますよ。先日ちょうど税務調査があり何の問題も出てきませんでしたよ!!」
と少し得意げでした。
私はこう続けました。
「仮に私が御社の申告をすべて行い、税務調査において悪意ではない申告ミスを指摘され数千万円の追徴税額が発生したとしても、その税金は税理士が適正申告を行っていたなら納税していた金額です。」
「ここで考えるべきことは、追徴税額ではなくそれについてくる罰金の額です。」
「つまり、数年あるいは十数年に一度あるかないかの税務調査での罰金の額と、その間に税理士に支払う報酬額とのどちらが大きいか?ということです。」
「結論を言います。私を雇って税理士を解雇しませんか?」
面接の結果は秘密です(笑)
生意気で血気盛んだった昔の話と思って笑ってください。
しかし、私は今でもこの気持ちに変わりはありません。
今、税理士が行っている仕事の多くが新たなモノにとって代わる、いや、代わらなければならないと私は思っています。
ささやかですが、みなさんがご自分の確定申告をwebでできるようにセミナー映像を作成いたしました。
注意しておきますが、これですべての申告ができるわけではありませんが、少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。
みなさんを変えるのは私ではありません、みなさん自身です。
私どもはそのためのお手伝いを精一杯させていただきます。
みんなで変わりましょう。
生き残るために。