現実を並べる

『創造力がはたらく人は、知識・情報蓄積の多い人。センスよりも大事。』
年初の弊社会議で岡本が言いました。
『バンドを組んだばかりの10代の頃、さまざまなバンドの好きな楽曲を10曲並べて、好きな部分だけを切り取り、ツギハギにしてオリジナル曲を作ったものだ。』
レディオヘッドのフロントマン、トム・ヨークが言ったことを思い出しました。
急速な景気悪化に伴い、貧富の差はより厳しくなっていきます。『1億総中流階級』の意識があった日本も、今やジニ係数(※)0.53です。
0.5を超えてくると貧富の差が大きく、社会の歪みが目立つので政策(主には税制と社会保障)で整えなければいけません。
しかし、今の状況では景気回復最優先。税制によって格差を整えるために、どこかを減らしてどこかを増やす、というよりもとにかく減らす、そして消費促進。
・・・のはずなのに、年末に発表された税制改正を見てみるとなんだか頼りない。特に中小企業には。
特殊支配同族会社の役員給与損金不算入制度はそのまま、法人税率もわずかに下がっただけ。
そもそも日本の法人税率は40%、隣の韓国は27%ですし、EUなんて平均24%ですから、諸外国に比べたらものすごく高いのです。
個人の暮らしに関しても、住宅や自動車を中心に減税策が図られているのですが、消費を促すまでに至るかどうか・・・。
と述べてみても、結局は現実の確認にしかすぎません。国を変えようとしてもそう簡単には変わらないのですから。
それでもやはり確認は必要なのです。変わらない現実を机の上に並べる、できるだけ数多く並べる、そこから進むべき道を『創造』する。
税制改正だって、経営のために並べるべき現実です。
『創造力がはたらく人は、知識・情報蓄積の多い人。センスよりも大事。』
税制改正を文字の羅列と捉えずに、ポイントだけでも顧問税理士に確認しましょう。顧問税理士だって、聞かれなければアナウンスしないかもしれません。
『バンドを組んだばかりの10代の頃、さまざまなバンドの好きな楽曲を10曲並べて、好きな部分だけを切り取り、ツギハギにしてオリジナル曲を作ったものだ。』
アーティスティックな分野でも最初はそうなのです、どれだけ数多くの楽曲に触れてきたか、どれだけの展開パターンを知っているか。その組み合わせなのです。