会社が静止する日

当社では毎年元旦に岡本より新年度の『経営方針』が届けられます。わざわざ元旦にです。
受け取る私の気分としては『ミッションインポッシブル』
わざわざ元旦に見たくないのでそっと机の上において置きました(笑)
世界は今、『100年に1度』の経済危機を迎え、物価が下落しても需要が拡大をしない『デフレスパイラル』の恐怖が日を追うごとに現実味を帯びてきました。
そこで現在国会では、定額給付金やら減税規模1兆円の税制改正を審議していますが、肝心な税制改正の中身はカラッポです。
そのような経済環境にあって弊社の本年度のキーワードが決まりました。
『不況のおかげ』
これが当社が事業を通じて一年間突き詰めていくテーマです。
このテーマのもとマネージャはそれぞれの部門の経営計画を策定し、岡本に提出、話し合います。
いうまでもありませんが、不況期というのは基本的には無理に売上げをあげることはできません。
そこで経営計画の基本スタンスは『減収増益』という形になります。
減収増益という話をすると単純に『リストラ』とか『経費削減』と言う方がいらっしゃいますが話しはそう単純ではありません。
自社のビジネス構造を客観的に分析し、経営にもっとも影響を及ぼしているコストを計画管理することです。
しかし、コストコントロールだけではこの不況期を乗り切ることはできません。当然、販売戦略も考えなければなりません。
経営でもっとも大切なのはトータルでバランスがよいということです。
よく「経営計画を立ててもどうせ予定通りにいかない」と経営計画に批判的な経営者も見受けられます。
確かに経営計画を立てたからと言って直ちに利益があがり、金繰りが良くなることはありません。ではなぜ経営計画が必要になるのか?
人間の心と体は何も負荷をかけなければ常に楽な方に向かって行きます。
これは経営においても同じです。
経営計画をつくり心の準備(マインドセット)をしなければその経営は「放漫経営」となり必ず行き詰まってしまいます。
ちなみに当社の経営計画の作り方は驚くほど綿密です。弊社で税務顧問をさせていただいているお客様とは毎年経営計画を作成するセミナーを行っています。
今年、みなさんの会社ではどのような心の準備をしましたか?
まだの方は、年頭にあたって経営計画の見直し又は作成を行ってみてください。
タイトルから皆さんご推察のとおり『地球が静止する日』という映画を観て来ました。
ところで、キアヌ・リーブス主演の『地球が静止する日』がロバート・ワイズ監督による作品のリメイクだったことを正月に岡本より知らされ驚きました。
映画では瀕死の状態にある地球を救うために、宇宙人のキアヌ・リーブスは人類の消滅を決断します。しかし、人間はキアヌ・リーブスに対しこう懇願するのです。
「人間は環境に合わせて変化することができる生き物だ。」
「しかし、人間は瀕死の状態になるまで変わろうとはしない・・」
今、私たちは瀕死の状態にあるのでしょうか?そして、本当に変化することができるのでしょうか?
変化なくして、この歴史的な経済危機の中『会社が静止する日』を回避することはできません。