会社を切り売る

人間良いところもあれば、悪いところもある。自分にとってイヤなところも、人から見ると良い場合もある。
最近ポッコリと出始めたおなか、とても憎らしい。でも人によっては「かわいいね」、「貫禄があっていいね」と言ってくれることもある。
だったらあなたに譲ります、このおなか。 もしもおなかを売っちゃうとしたら…?
今さら私ごときが言うまでもありませんが、今後は経営環境が厳しくなるばかり…、「企業再生」はますます進んでいくことでしょう。
「企業再生」とは、あらゆる方法を使って、時には会社が形を変えて、蘇ることを言います。
会社も生き物と一緒です。環境に適合するためには、フレキシブルに形を変えて順応していかなければなりません。恐竜はもういません。
今のご時世ですと「企業再生」がいつまでも対岸の火事とは限りません。そして、「企業再生」は果たして火事なのでしょうか?
「企業再生」の中から、例えば、会社分割、事業譲渡。
会社分割、事業譲渡とは、会社のうまくいっていない事業を、欲しがる別の会社に切り売りすることです。
自分にとっては憎らしいおなか。でも他人にとっては羨ましいおなか。
「わざわざ、うまくいっていないセクションを別の会社に移さなくても、閉じてしまえばいいじゃないか!」
そう割り切って、大幅なリストラが出来る社長さんは問題ありません。しかし、そこまで冷酷に徹しきれない社長さんが多いのもまた事実。
情と現実の狭間で、見ない振りをしていた結末が近づく…。せめてもの救いは配偶者に自宅を贈与していたこと…、なんてケースも十分にありえます。
会社には、うまくいっている事業もあれば、うまくいっていない事業もあります。
イヤだな、自分には向いていないな、と思いつつ、騙し騙し付き合っていくのか。
他人に売っちゃって、そのお金を資本に、本業を充実させるのか。
社長としての正しい判断は? 自分自身の本音は?
もちろん、実際の現場ではそんな単純な話ではありません。でもきっかけとしては十分。すこしでも心に触れた方は、周りのブレインにお話してみてはいかがでしょうか。