【経営者と経理担当者】と【意識のズレ】

皆さんの会社の経営者と経理担当者は、どのくらい意識の共有が出来ているでしょうか?
中小企業の経営者で、数字に強い方は多くありません。
しかし、経営環境の変化が速い中で成長を計るためには、財務状態の把握は不可欠。
それでは、経理担当者は、経営者が必要な数字を報告できているのでしょうか?
昔の経理担当者の仕事といえば、出納帳や伝票に手書き、電卓で集計、銀行に回って記帳と振込み etc.
重要な仕事であるにもかかわらず、周りからは何をやっているか分かりづらいと言われていました。
とはいえ、経理はそういう仕事であり、担当者が悪い訳ではありません。
しかし、時代の変遷と共に、経理担当者の仕事も変わってきました。
経理業務はパソコンでの処理が大半を占め、会計ソフト、エクセル等で済んでしまいます。
銀行関係もインターネット・バンキングが主になっていますし、電子納税の利用も進んでいます。
その分、他の業務も平行されているはずなので、単純に仕事が楽になったと言いたい訳ではありません(苦笑)
経理業務自体は、以前に比べて省力化出来ているはず、ということです。
ですが、最近は盛んに、「経理担当者は、空いた時間で管理会計の領域まで踏み込み、経営者の判断のバックアップをすべき!」とまで言われています。
そして、管理会計まで踏み込むには、両者の「意識」が合致している必要があります。
とはいえ、これが出来ている会社は中々ありません。
経営者からすれば、「試算表や資金繰り表だけ出されたって・・・。」
と言いつつ、何が欲しいのかも分からない。
経理担当者からすれば、「経営者が何を望んでいるのか分からない・・・。」
と言いつつ、別の資料を提案しようとしない。
経営者はセミナーに参加したり、書籍を読んだりと、漠然とですが、経営判断に必要な資料が分かっています。
しかし、経営者はその漠然とした感覚を経理担当者に上手く伝えることができず、経理担当者は経営者が何を言いたいのか理解できない。
そのためには、経営者と経理担当者の密なミーティングは不可欠です。
経理担当者は、その気質として、受身の業務をされる方が多いように感じますが、的確な指示を出しさえすれば、正確な仕事をしていただけます。
また、会計系のセミナーに一緒に参加するというのも有効な手段です。
やはり、同じものを見聞きすれば、意識の共有を図りやすいはずですから。
当社主催のセミナー「会計するカラダVS会計するアタマ」も、経営者と経理担当者が一緒に参加されるケースがあります。
これは、資金繰りという会社の生命線から、経営者にとって不可欠な戦略的会計を網羅した内容です。
過去には、経理担当者のみが参加され、経理体制の再構築と、経営者に対し提出する管理資料の提案を行なった方もいらっしゃいます。
経営者の参加が多いセミナーですが、実際に業務を行なう経理担当者の意識を経営者に近づけるためには、経理担当者の参加が非常に有効です。
経営者が求めることを理解できるでしょうし、受身の経理担当者の思考にストレッチをかける事は大切なことですから。
・・・宣伝になってしまいましたが(笑)
また、当社では今秋から、経理担当者向けのセミナーの開催を予定しています。
少人数のワーク形式で、経営者の経営判断に有用な人材の育成を目的としています。
税理士事務所のスタッフである私が言うのもなんですが、自社の経営状態を理解するのに、税理士に頼る時代は終わりに近づいています。
しょせんは外部の人間。
自社の内容を一番理解し、コミュニケーションを取りやすい経理担当者が、経営者に全てを説明できるのが理想です。
経営者の皆さんは、もっと経理担当者の方とミーティングを重ねてみたらいかがですか?
経理担当者との意識のズレは、資金繰りのズレ、利益のズレ、そして経営のズレにつながります。
そうならないためにも、二人三脚の体制を構築することをお勧めします。