ビックリするくらいニコリともしませんでした。
早朝からビラ配りを行っていたその政治家は・・・。
それは新首相に就任した野田さんのこと。
私が野田首相の選挙区地域に住んでいたため、朝の通勤時に駅前でよく見かけました。
鳩山さん、管さんと続いた後の首相としては、逆にあの落ち着きすぎる雰囲気が功を奏するかもしれません。
そして、野田首相の誕生で、増税路線が明確になりました。
この増税路線が今後の日本にどのような影響を与えるのか?
今はただ見守るしかありません。
ところで、首相交代の度に行われる路線変更。
企業経営とも共通していると思いませんか?
これを企業に例えると、社長交代による路線変更です。
特に中小企業の社長交代では、必ずと言ってよいほど路線変更が行われます。
まるで、前社長(大抵は親ですが)の影響を振り払うかのように・・・。
結果をいち早く出したいがために、急激な改革を推し進めようとするケースが多いですが、中々上手くいかないのが現実のところ。
当然、単なる前社長の路線否定では上手くいきません。
あるいは、会長にとどまっている前社長に遠慮して、中途半端な改革で挫折する例も少なくない・・・。
例えば、管さんのように脱原発の方向性を“バチンッ!”と決める事自体はそれほど難しくはありません。
問題は、実際に線路を敷く作業です。
仮に方向性が理想的であったとしても、実際に線路を敷く閣僚や官僚が付いていけなければ、画にかいた餅になってしまいます。
そして、行き詰った状態で途中交代・・・。
しかし、中小企業の社長に途中交代は許されません。
方向性を決め、線路も敷き、さらに結果の責任も負わなければならないのです。
方向性(=戦略)を決めていない中小企業は稀ですが、線路(=戦術)を上手く敷けている中小企業は同じくらい稀です。
方向性が正しいか否かは別問題で、進んでから間違いと気付いたら修正すればよいだけの話。
政治を見ていてもお分かりのように、企業経営も結局は実行レベルで先に進まず破綻しています。
この点、線路敷きを上手く進めている中小企業を見てみると、社長自ら先頭に立って幹部やスタッフに十分な説明を行い、信頼出来る外部の専門家からの協力も得ています。
社長自ら何から何まで行う必要はありませんが、その段取りは必要です。
しかも、企業の場合は自社の路線変更のみならず、国の路線変更にまで左右されます。
ここで話は戻りますが、今回の増税路線。
増税で一番問題となるのは、税金が増える事自体ではなく、資金繰りに大きな影響を与える事です。
税金にばかり焦点を当てていると、気付かない間に資金繰りが悪化しています。
増税後には生命保険を代表とした節税商品がブームを迎えるかもしれませんが、色んなところで節税をしているがために、回り回って借入金が増え、そのために多額の利息と信用保証料を支払っているなんて企業は腐るほどあるのです。
役員報酬の決め方一つにしても、再検討を何度繰り返さなければならない事か。
増税路線となれば税理士の判断による影響も少なくありません。
新規で契約するお客様の前の税理士の処理を見ると、ときどき怖くなる時があります。
税理士の判断一つで企業が破綻しかねないと・・・。
時の首相の一声で経営に大きな影響が出てしまうのは残念ですが、これが現実です。
改めて自社の方向性を見つめ直す良い機会かもしれませんね。
戦略なくして変化はあり得ないのですから。